私は、通所している皆さんへの支援で大切なことは、「自分の力で“やりすごしながら”前向きに、ささやかなよろこびを持ちながら生きることへの支援」と考えています。支援者は、とかく支援を受けている人に対して、“嫌なことも、嫌とは言わず頑張って取り組む”、“わからないことがあっても、笑顔で反応する”、“さぼることなく、作業に取り組み続ける”などを求めがちになります。しかし、我々支援する側の人間であっても、嫌なことはやりたくないと思うし、わからないことがあると不安になるし、さぼりたいという気持ちを抱いてしまうこともありますよね。私は、「支援を受けているんだから」という思いをもちながらかかわったり、行動を強要する支援者をみたりすると、いつも理不尽だなという思いをもってしまいます。みなさんは、いかがですか。
ふれあいホームでは、“嫌な作業は伝えてください”“休みながらゆっくり作業をしましょう”“わからないことは、無理しないでください”と繰り返し伝えています。強要されて作業をしたり、一方的に叱責されたりという支援環境をなくしていくためには、利用者さんに思いを伝えてもらえることが重要なことですよね。
ふれあいホームに通所した時には、わからないことや嫌なことは“自分の力でやりすごしながら”、そして、“前向きに、ささやかなよろこびを持って”作業をしたり、利用者同士のかかわりを楽しんだりしてもらいたいと思っています。
支援者が求めるものに対応してもらうのではなく、利用者の皆さんが少しでも自分の人生を豊かにすることのお手伝いの場になってもらえればと日々願っています。
理事長 佐々木 浩治